インスタント商品(ラーメンや焼きそば)で問題となる、塩分量を減らして食べる方法です。
なるべく薄味にせず、満足感を落とさない事を目的としました。
塩分量の目安
人体に必要なミネラルの一種であるナトリウム、
不足してしまうと疲労感や脱水症状など、日常生活に支障をきたす大事な栄養素です。
しかし摂りすぎると高血圧や胃がんなど重大なリスクを発症してしまいます。
厚生労働省のe-ヘルスネットによると1日のナトリウム摂取目標量(食塩相当量)は…
成人1人1日当たり男性7.5g未満、女性では6.5g未満
という事なのでインスタント食品を常用している方は注意が必要です。
自炊をするならば塩分量は調整可能なのですが、レトルト商品などの場合には既製の味付けを受け入れる他ありません。
食べ方を工夫して少しでも塩分摂取量を減らす事ができれば精神衛生上も良いのですが…
減塩の手法(つけ麺)
インスタント食品の減塩をする際に一番手っ取り早い方法と言えば、ラーメンのスープを残すという方法です。
問題はどの位の量を残せるのか?
という事につきますが、その辺りは個人の理性に委ねる所なので確実性はありません。
しかもこの手法はスープのない焼きそばでは不可能です。
残された方法は、付属の粉末スープを全て使い切らないという方法です。
味付けの段階で粉末スープを1/3ほど残せば確実な減塩が可能です。
しかしその場合、明らかに味が薄くなってしまい美味しさも低下してしまいます。
テンションは確実に下がってしまい、食事の楽しみが失われて行く事でしょう。
そこで、減塩しながらもしっかりとした塩味を感じたい!
と編み出された手法が ”つけ麺” スタイルとなります。
粉末スープを減らすと同時にお湯の量も減らします。
これならば塩分の総量を減らしながらも、標準の濃度(味わい)をキープする事ができます。
実際に次の項目では複数の商品を試してみました。
食べ方をつけ麺スタイルに変更するので、熱々のスープに浸ったラーメンという図式は崩れてしまいます。
レシピ
食べ方をつけ麺スタイルに変更するので、熱々のスープに浸ったラーメンという図式は崩れてしまいます。
麺は汁なしの状態でドンブリに盛る事になるので、温度の低下を避けたい場合には器を温めておくと良いでしょう。
天ぷらそば
先ずはつけ麺スタイルとは相性の良い、インスタントそばを試してみます。
蕎麦の世界ではスタンダードな食べ方なので違和感は少ない事でしょう。
選んだ商品は1970年発売というロングセラー袋麺の、マルちゃん ”天ぷらそば”。
本来の蕎麦はストレート麺ですが、ラーメン風に縮れたこの麺もまた癖になる美味しさがあります。
塩分量のスペック
食塩相当量 5.9g
め ん 2.4g
スープ 3.5g
塩分の総量が5.9gと中々の高い値です。
スープまで全て飲み干してしまうと、1日分の許容量(7.5g~6.5g)に近づいてしまいます。
麺は規定の時間お湯で茹でて器にとりだします。
粉末スープは小皿にお湯で溶きますが全量は使いません。
(つけ麺に必要な)湯量に見合った粉量を味見をしながら混ぜていきます。
*つけ汁という役割なので、通常のラーメンスープよりも濃いめで作ると良いでしょう。
しっかりとした塩味が感じられる位の濃さに作れば、減塩したストレスは感じられません。
味わいに関しても問題なく、美味しさはキープされています。
付属していた粉末スープの総量が12gに対し、今回使用した量が5gとなりました。
これは全粉量の41.6%となり、半分以上の削減となります。
粉末スープの量
全量(塩分量) 今回使用量(塩分量)
12g (3.5g ) 5g (1.456g)
麺を合わせた全体の塩分量
全量 今回使用量
5.9g 3.856g
粉末スープ単体で約41%、麺と合わせた総量で34.6%(2.044g)の減塩となりました。
実際はつけ汁を全て飲み干す訳ではないので更なる減塩が期待できます。
宮崎辛麺
基本的には辛みが強くなると共に、塩分量も比例して多くなる事でしょう。
次は辛みの強いラーメンで試してみます。
選んだ商品はホタテだしを麺にねり込んだというニッシンの ”宮崎辛麺” 。
日清基準では辛みレベル4(最大5)という激辛ラーメンの部類に入ります。
塩分量のスペック
食塩相当量 5.6g
め ん 2.1g
スープ 3.5g
塩分総量が5.6g(スープ単体 3.5g)なのですが、これはマルちゃん天ぷらそばを下回る値です。
激辛なので塩分量も高いと予想していたのですが意外な結果です。
麺は味付けせずに、有り合わせの野菜と一緒にお湯で煮込みました。
今回も味見をしながら粉末を溶かしていきます。
あまり薄過ぎても激辛という特徴が失われてしまうので、強めの辛みが感じられるレベルはキープしたい所です。
スープの濃度が決まったならば、いよいよ麺を付けながら食べて行きます。
程よい辛さで仕上げてみましたが、スープが薄くなった印象はありません。
これならば激辛ラーメンも無理せずに食べる事ができます。
野菜に味が染みていないので若干寂しい気分もしますが、辛味を緩和する役割が感じられるので相性は悪くないです。
使用前の粉末スープ全量の重さが12gありました。
そして使用後に残った物が8gなので、今回使用した量は4gとなります。
粉末スープの量
全量(塩分量) 今回使用量(塩分量)
12g (3.5g ) 4g (1.166g)
麺を合わせた全体の塩分量
全量 今回使用量
5.6g 3.266g
粉末スープ単体で約66.6%、麺と合わせた総量で41.6%(2.334g)の減塩となりました。
激辛風味が災いし、より少ない粉量で満足できたようです。
激辛ラーメンをつけ麺にすると、好みに合わせ簡単に辛さを微調整できるのでオススメです。
カレーうどん
時折食べたくなるスパイシーなうどん、やはりカレーは何にでも合います。
塩分量のスペック
食塩相当量 6.0g
め ん 2.0g
スープ 4.0g
総量が6.0g(スープ単体 4.0g)と意外と高く、今回の中では一番高い値を叩き出しています。
天ぷらそばもそうですが、マルちゃん製の物はやや高い傾向にあるようです。
麺をお湯で煮込みました。
粉末スープを好みの濃さでお湯で割ります。
辛味は決して強くありませんがピリッとした刺激があり、カレーうどんらしいスパイシーな風味が感じられました。
粉末スープの量
全量(塩分量) 今回使用量(塩分量)
15g (4.0g ) 6g (1.6g)
麺を合わせた全体の塩分量
全量 今回使用量
6.0g 3.6g
使用した粉量が6g(15g中)なので、粉末スープ単体で約60%、麺と合わせた総量で40%(2.4g)の減塩となりました。
基本の塩分量が高いカレーうどんなので、その効果も高いと言えます。
ソース焼きそば
通常の焼きそばの場合スープを残す事はできませんが、つけ麺スタイルならば減塩も可能です。
スープに浸しながら食べるので焼きそば本来の形態とは大きく変わってしまいますが、そのテイストも含めて試してみましょう。
優れたコスパで定評の麺のスナシオから、乾麺タイプの ”ソース焼きそば” を作っていきます。
食塩相当量 3.3g
め ん 0.8g
スープ 2.5g
塩分総量が3.3g(スープ単体 2.5g)と、上述した商品に比べてだいぶ低い値です。
焼きそばはスープを作る必要のない分、トータルの塩分量が抑えられているようです。
この時点で味付けは一切していません。
焼きそばの場合はラーメンとは違い、粉量を減らしてお湯で溶いてしまうと薄いスープが出来上がってしまいます。
焼きそばに付属の粉末は、スープを作る為ではなく麺に味付けをするという役割なので、ラーメンと比べて濃度が低くできています。
したがって粉末スープは全量を使い熱湯で溶きました。(味見をしながら薄くなり過ぎないように作って下さい)
重さを量ってみると、容器分を引いたスープ量が95gとなりました。
このスープはあくまでもつけ汁なので、食べ終わった時に残った分が減塩できた事になります。
麺をスープに浸して食べていきます。
ソースの酸味やピリッとした辛みが感じられ、お湯で薄まった印象はありません。
通常の焼きそばよりも水分が多く、ラーメンっぽい食べ心地となりましたが、味自体の違和感は見られません。
しっかりとした塩味も感じられ、美味しく頂く事ができました。
完食後のスープを量ると66gありました。(容器の重さを引きました)
したがってスープの消費量は、95g - 66g = 29gでした。
したがってスープの消費量は、95g - 66g = 29gでした。
作ったスープの量
全量(塩分量) 使用量(塩分量)
95g (2.5g ) 29g (0.76g)
麺を合わせた全体の塩分量
全量 今回使用量
3.3g 1.56g
粉末スープ単体で約69.6%、麺と合わせた総量で52%(1.74g)の減塩となりました。
今回は麺単体で頂きましたが、野菜などの具材を加えて食べるとスープの消費量は若干増えると思います。
まとめ
減塩効果
結果としてはラーメン系で平均2.25g、焼きそばで1.74gの減塩となりました。
ラーメン系では残したつけ汁(スープ)の分は計算していないので、より高い減塩効果が見込まれます。(残した塩分量は焼きそばと同様に1.5g位はありそうです)
味わいとしても、ラーメン・焼きそば共に味が薄まる事無く美味しく頂く事ができました。
スープの温度や水分量など多少食べ心地は変わってしまいますが、許容範囲という印象です。
メンマや煮卵などの具材を充実させれば、より美味しさは広がる事でしょう。
何よりも、塩分の過剰摂取という不安要素が減る事で、ラーメンを存分に楽しむ事ができました。
以上、
ラーメン・焼きそば
『味そのままで塩分カット』でした。